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デザイナーはモノづくりのディレクター

 これからのモノづくりにおいては、デザイナーが新しいものを発想し、形状化するときにモノづくりが成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。
  モノづくりの最初に携わるデザイナーがモノづくり全体をみまわし、後工程まで配慮してかたちづくることは失敗しないモノづくりの実現には欠かせないからです。
  3次元化によるデータの一元化が行われるようになると、デザイナーが素材、構造、環境への配慮を意識しデザインすること必要となります。開発の最初に関与するデザイナーが後工程まで配慮することは、失敗しないモノづくりの実現には欠かせません。設計上で問題が起こりそうな部分のクローズアップをする。製造上技術的に難しい部分があれば、修正できる可能性を残しておく。どういう材料をつかってどんな形にすれば機能と性能がよくなるか、造りやすくなるを知っていることが求められます。
  さらにデザイナーには、文化的な側面(デザインやインターフェース)と技術的な側面 (材料、構造、ものの造り方など)の幅広い知識が求められています。アイデア段階から3次元CADデータを共有し、構造や機構の問題がないかなど関係部門からフィードバックを受けながら検討を行い、よりよいモノづくりを行えるように異業種との積極的な交流による問題解決をはかるコーディネーター的な役割も求められます。構造や機構上の問題を、かたちを発想したデザイナー自身が解決できればスタイリングの品質を維持したまま製品を完成させることができます。高付加価値な製品を生み出すことができるようになります。

  クリストファー・ロレンツは著書「デザインマインドカンパニー(The Design , 1990)」の中でこう述べています。
「IDデザイナーは、技術と消費者の双方に直接接触できることができる唯一の人間だ。彼等は、製品マネジャーやその他のさまざまな調整役が導入されても、コンセプトから市場導入まで、すべての開発と生産プロセスを通 じて新製品に関わるただ一人の人間である。」

 ロレンツの言葉にもあるように、デザイナーは消費者と製造をつなぐ掛け橋であり、製品のすべてに通 じる者なのです。 デザインに3次元CADが導入され、デザイナーがモノづくりの上流工程から下流工程まで携われる環境が整ってきています。デザイナー自身が描いた3次元モデルで金型まで進行することができ、デザイナーが想い描いたイメージ通 りの製品を作ることが可能になりました。そして今までは設計者が担っていた外装設計に対する責任、製品コストの意識、環境への配慮(例えば、メンテナンス性、資源の廃棄量 、素材決定の責任、部品の再使用)といった問題を、デザイナーが解決し決定しなければなりません。責任範囲の拡大は、デザイナーの職域を拡大させているのです。
 分業化や専門化が進み、大勢の開発スタッフが同時期に並行的に作業を行うコンカレント開発では、モノづくり全体を見渡しデザインから金型・製品製造まで一貫して担当する「ディレクター」としての役割が必要となります。デザイナーは、造形や色、素材、その他ソフトウェアの価値をデザインするだけではなく、素材、成形、生産管理などの工程まで携わり、多くのスタッフ達と高度に共有してプロジェクトをすすめる役割をになうようになるでしょう。そうした開発環境においては、デザイナーが3次元CADをツールとして活用し、3次元データをモノづくりの共通 言語化し、各部門と情報をシェアする方向に向かうことを今後さけて通るわけにはいきません。

 製品開発過程でデザイナーがいつまでもデザインの1領域である「スタイリング」の部分だけに目を向け、保守的な技法による創造行為に固執したり、モノづくり全体の中の「デザイン」段階だけに携わっているようでは、将来デザイナーの存在意義が問われることになるでしょう。
 製品開発においてデザインの価値をより発揮しようとするのであれば、もう1度デザインの本質、デザイナーの役割を自らに問い直す必要があると感じています。

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